勝ち組に回るための脱皮考その42 「方向性が分かりやすい商品」について。

GWも中盤に差し掛かったが、皆様いかがお過ごしであろうか。

私はというと、なぜかこの時期になって急にRTMのご購入者様からのご質問メールを多く頂戴するようになり、サポートに勤しむ日々を過ごしている。やはり今年はステイホームを余儀なくされているため、この休暇を活用して相場の勉強をされようとしている方が多いのかもしれない。

さて、先日Eさんからご要望を頂戴していることもあるので、久々に「勝ち組に回るための脱皮考」シリーズの記事を更新しておく。

今回はFXとは直接は関係のない話だが、方向性が分かりやすい商品の紹介と注意点などについて書こうと思う。ずっと前から一度触れておきたいと思っていた内容だった。

ご興味を持たれた方は続きをご高覧いただきたい。


米国30 月足チャート

まずは現状ロングに優位性がある商品。その代表格は、言わずと知れた株式だろう。

画像のチャートはGMOクリック証券の米国30(NYダウ)の月足だが、長期的に見て、右肩上がりになっているチャートが確認できるかと思う。もちろん、天井圏近辺でレバレッジをかけてロングした場合は、運が悪いと一文無しになってしまうが、リスク管理を徹底し、ロングに絞って臨めば、そう簡単には負けない商品だと思うのだが、いかがなものであろうか。

米国30ブル3倍ETF 月足

それに連動したETFも当然ロングに優位性があると言える。

画像は、米国30ブル3倍ETFの月足チャートだが、似たような形状になっていることが確認できるかと思う。

ちなみに、私はレバレッジ商品の投資には消極的。その理由はチャートをよくご確認いただければお分かりだと思うが、一度暴落相場になると、元の水準に戻るためには、レバレッジ商品の方が時間がかかるからだ。また、滅多にないことだとは思うが、商品自体が廃止になるリスクもなくはない。

従って、方向性をロングに絞るにしても、単純な手動トラリピ戦略のような場合は、レバレッジ3倍商品を運用するより、直物(スポット)に3倍のレバレッジをかけて投資し続けた方がパフォーマンスは上回ると言えるのではなかろうか。

コーン 月足チャート

次はショートに優位性があると言われている商品。商品先物は昔からショートに優位性があると言われている代表格。画像はコーンの月足チャート。そろそろ始動か?と虎視眈々と狙っている。(GMOクリック証券では今は売買停止となっている。)

「なんだ、レンジじゃん!むしろ徐々に下値が切り上がっているし、上に突き抜ける時があるのだから、ロングで入った方がいいのでは?」

と思われた方は私と価値観が真逆か勉強不足。

先物相場であるにも関わらず、ロールオーバーが無制限にできるのは、業者側が期近物から期先物へ買い替えをしているからであり、その都度「価格調整」が発生する。「順ザヤ」(コンタンゴ)、「逆ザヤ」(バックワーデーション)という言葉を聞いたことがないだろうか。安定相場では順ザヤになるので、調整の度に価格が上昇し、その上昇分を「価格調整額」として受け取ることができる業者もある。不安定な相場では逆ザヤとなる場合があり、逆に価格調整額を支払わなければならないが、逆ザヤとなることは全体の2割程度なので、長期的にレンジならばショートに優位性がある、ということになる。

また、商品相場の場合は暴騰相場が「青天井」となりにくいのもショートに優位性がある1つの要因だろう。どういうことかというと、仮にコーンの相場が10倍、20倍…と暴騰したとすると、コーン以外の農作物で代用しようという考えが働くのではなかろうか。コーンだと説明しにくいので、他の野菜、例えばほうれん草の相場が暴騰したとすると、ほうれん草を普段扱っている料理店は、ほうれん草の代わりとなり得る小松菜・空心菜・チンゲン菜などの野菜で代用しようとするのではなかろうか。つまり、需要と供給の関係で、特定の野菜だけが高騰し続けることが何年も続くとは考えにくいし、

「そんなに高く売れるのなら、俺もほうれん草を作ろう!」

と、ほうれん草を作る農家が増えるのは間違いないので、いずれ価格は落ち着くところに落ち着く可能性が高いのだ。

さらに、先物相場では、「時間的価値の減価」や商品によっては「維持コスト」が大きく影響することにより、中長期的には価格が減価しやすい性質もある。これらについての解説はとても長くなるので、ご興味がお有りの方は、これを機会に商品先物相場を学習されることをお勧めしたい。

このような三重、四重の根拠があり、商品相場はショートに優位性があると理論的に説明がつくように思うのだが、いかがであろうか。

では、なぜショートに優位性がある商品を買う投資がいるのか?これは、「ヘッジ目的」での需要があるからに他ならない。もちろん、上がるという予想や予測に基づいた投機玉の需要もあると思うが、私は投機目的で商品相場をロングすることに抵抗があるのは上述の通りだ。

非現実的でかつショートをヘッジとする真逆の戦略の話だが、もし私が大富豪だったら、コーンの大農場を経営すると同時に、コーンの先物相場で作物量と同等規模をショートして両建て状態にすることを考えるだろう。相場が上がれば現物を売って大儲け、(ショートポジションは相場が落ち着くまでホールド。)相場が下落して現物で赤字が出たとしても、先物相場で利益が出るので問題はない。まさに必勝法だ。

※為替の世界でも、「為替予約」や「バニラオプション」などがあり、実需筋のヘッジや投機などでの需要がある。

「そんなことはない!金の先物相場は上昇しているじゃないか!」

と思われた方もおられるかもしれない。それは金の現物価格が徐々に上昇しているからであり、リスクヘッジとして人気が高い貴金属だからだ。金の値上がりを期待するのであれば、減価しやすい先物で買わずともスポットを買えばいいと個人的にはそう思う。(厳密には、先物とスポットとの購入コスト、維持コストを比較すべきだろう。)

米国VI 月足チャート

米国ブルETF 月足チャート

他にも、ショートに優位性のある商品に、米国VI、米国VIブルETFなどがある。(GMOクリック証券の米国VIは、現状規制がかかっていて、ショートから入ることはできない。また、米国VIブルETFには金利調整額が発生する点に注意していただきたい。)

米国VI(VIX指数)はいわゆる「恐怖指数」などとも呼ばれているが、正しくはボラティリティーの上昇に伴って上昇する商品。通常上昇相場より下落相場の時の方がボラティリティーが大きくなる傾向があるので、恐怖指数として定着している面があるのかもしれない。

一番最初に米国VIブルETF(プロシェアーズ・ウルトラ・VIX短期先物ETF)のチャートを見た時は本当に驚いた。こんなチャートがあるのかと。このETFは時間の経過と共に減価していく代表的な商品で、価格がゼロに近くなると株式併合をして価格を上昇させていて、実際はその時に権利調整額の類が発生しているはずなので、価格が維持されているに見えるが、実質的には下落し続けていると考えられる。

※ご参考 

2018年9月17日に、プロシェアーズ・ウルトラ・VIX短期先物ETFにおいて5枚を1枚にする併合がなされているようだが、GMOクリック証券では、この時に正常な処理がなされなかったようで、後日修正処理が行われたようだ。この時の価格調整詳細については不明であるが、ショートポジションにはおそらく価格調整相当額が付与されているものと推察される。)

ご興味がお有りの方は、GMOクリック証券の最終報告をご参照ください。

https://www.click-sec.com/corp/news/sysstat/20180918-02/

勘違いしてはいけないのは、米国VIなどで発生する価格調整額はFXのスワップポイントとは似ているようで違う、ということ。価格調整額はあくまでも乗り換える際に生じるレートの差異分の調整であって、価格調整自体は損益に影響がない。その後も減価が続くので、結果としてショートポジションに利が乗る、ということだ。対してスワップは金利調整の性質があるので、純粋にスワップ分が損益に影響する。ここは正しく理解をしなければならない。

米国VIや米国VIブルETFのようなショートに優位性がある商品は、「保険」に例えると分かりやすい。

地震や火災で家を失う可能性は極めて低いが、もし地震や火災で家を失うことになれば、大きな損害になることが想定されるので、多くの方は「保険」に加入して、万が一の事態に備えている。しかし、保険会社は地震や火災で家を失う確率を計算し、
保険料>災害に遭われた方に支払う金額
となるよう、「期待値」を計算し、保険会社側がまず損をしない保険料を設定している。

つまり、これら売りに優位性のある商品を買う行為は、保険に加入することに例えられ、売る行為は、保険会社側に回ることと例えられる。

滅多にあることではないがいつかは必ず来る暴落相場が訪れた場合、米国VIや米国VIブルETFなどの商品は、何倍、何十倍、にも価格が上昇するリスクがあり、そのリスクはほぼ「青天井」。どこまで上昇するかは想定ができない。だから、株式を買っている人にとっては、米国VIや米国VIブルETFを買うことが株式のロングポジションのヘッジとなる。米国VIや米国VIブルETFを売る人は、株式の暴落リスクを背負うことによって「優位性」を得ているので、買い方と売り方のバランスが拮抗している、これらの商品を売る際は、リスク管理を怠らないよう、くれぐれもお気をつけいただきたい。

長くなったが、FXは方向性が分かりにくいという点では非常に難易度が高い。ギャンブル目的でFXをなさっている方はともかく、お金を増やすことを目的として投資・投機をしていて、かつFXで勝つことが難しいと感じている方におかれては、方向性の分かりやすい商品は他にもたくさんあるので、一度FX以外の商品にも目を向け、お手すきの時に勉強してみるのもいいかもしれない。

あくまでもご参考までに。

最後までご高覧いただき、ありがとうございました。

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しん



初めまして。「しん」と申します。
パチンコライター⇒独立開業⇔FIRE、現在に至ります。

※タイトル下にあります書き出し文について

田山ファンの方々におかれましては、ご気分を害された方がおられるのではないかと思います。誠に申し訳ございません。

故田山幸憲プロは、私のパチンコスタイル、さらにはFXでのトレードスタイルにおいて多大なる影響を受けた方の1人で、今でも心の師匠として生き続けており、憧れの存在でもあります。田山プロの境地に立てるよう、日々精進を続けていますので、何卒ご容赦くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

※FXで勝てるきっかけを与えてくださったのはJFXの小林社長。ヒロセ通商さん主催「プレミアム大反省会」で、小林社長直々に「仲値トレード」、「プライスアクション」、「ポジションの傾き」について教えてもらえたことが大きかったです。トレーダーとして尊敬しているのはジュンFXさん。次々と新たなる目標を掲げて活躍されておられるジュンさんの背中を追い続けています。

私のスキャルピングのスタイルは、一言で言うと、「大口のエントリー方向に後出しジャンケンの要領で入り、コバンザメのように張り付き、大口が利確する前におこぼれを頂戴する」ようなイメージのスタイルです。

スキャルピングの他には、スワップサヤ取りや、配当・株主優待目的で日本株などもやっています。

◎卒業論文
・ピアノ演奏
 ショパンポロネーズ作品No.40-1

〇資格
・小学校第一種免許
・学校図書館司書教諭
・日商簿記2級
・税理士科目(簿記論、財務諸表論)
・普通自動車運転免許


〇趣味
将棋(アマ四段)
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